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女性のからだの不調の治し方

女性医療クリニックLUNAグループ理事長 関口 由紀

 






女性のカラダは、生理の始まる10代から、それぞれの年代でさまざまな不具合を生じます。年代ごとにおとずれる不具合を知って、いかに克服していくかが、ココロとカラダの健康を保って過ごしていくためには重要です。




そんななか、今注目されているのは、閉経の前後である更年期にさしかかった頃にこそ、その先の楽しい人生を送るために、女性に起こるさまざまなココロとカラダの不具合に対処する準備期間を設けるべきだということです。


従来の婦人科をはじめ、女性向けの医療は、生殖能力のある比較的若い世代の不具合を中心に診がちでした。更年期を過ぎ、閉経を迎えた以降の女性の不具合とはあまりきちんと向き合っていなかったと思います。




しかし、超高齢化社会のなかで、女性の生き方を、更年期以降の残り10000日(約33年)で考え、更年期、閉経以降の50歳代から90歳代を“女性の人生の成熟期”と位置付けるようにしようというのが、私の考え方です。


更年期を克服し閉経を迎えることは、生殖を終了し月経のトラブルから解放されて人生を自由に謳歌できる楽しい時間だということを、その世代の女性の皆さんに認識していただきたいのです。そしてこの時期を楽しみながらも、ご自身のカラダに関心を持って、自らをコントロールしてしっかりセルフケアしていくことが、その後の人生の最後の時期を痛みなく、自立して生きるためには重要なのです。




ところが、女性の皆さんは女性特有の病気や症状というと、まだまだ7割くらいの方が、婦人科の病気や症状、しかも閉経前までに関心が向いています。けれども、閉経後の女性特有の病気や症状といえば、婦人科の病気と同時に、泌尿器・生殖器の萎縮症状など泌尿器の病気にフォーカスすることも大切なのです。私は泌尿器の専門医の立場で、ずっと女性の病気に関わってきて、そんなことを痛感しています。


そして私は、女性のエイジングケアに必要な6要件を以下のように示しました。



1 血管を守る


2 骨を守る


3 うつ状態にならないように気をつける


4 皮膚の老化を防ぐ


5 筋肉量を維持する


6 がんを早期に発見する



この中で1~5まではまさに女性ホルモンが関わっています。更年期にさしかかり、女性ホルモンが揺らいだり、欠乏するとこのような諸症状・諸疾患が発症するのです。

6のがんに関しては、検診の習慣をつけて早期発見に努めればいいと思います。


がんの次に死亡率の高い、心臓病、脳血管障害などを発病させる動脈硬化を進行させないようにするのは、1をきちんと守ることです。

そのためにはその原因となる生活習慣病(高血圧・糖尿病・高脂血症)を予防・治療することが大切です。


2~5は日常生活であまり意識しないでいると、知らず知らずのうちに老化の坂道を急加速で転げ落ちてしまいます。




私をはじめとする当クリニックのチームは、これらのことに留意しながら、女性特有の症状と向き合うために関連する各科が協力体制を敷いています。


そして私たちは、女性がいくつになっても、心身ともに元気でキレイであることを全力でサポートしていくことを目指しています。


それが、私たちが『女性医療クリニック』を標榜しているゆえんです。女性の一生を通じて診ていくのが私たちLUNAグループのモットーであり、そのために私以下、各疾患のスペシャリストがいつでもスタンバイし、アシストしていきます。『チームLUNA』として、皆さんのお役に立ちたいと考えています。




本書では、私をはじめ『チームLUNA』が一丸となって行っている。日頃の外来での診療における患者さんへのアドバイスをふんだんに盛り込んでます。


女性特有のさまざまなココロとカラダの不具合、そしてその対処法をご案内するには。ほんの入口のガイドマップ的なものに過ぎないと思いますが、本書を通じて、少しでも多くの女性が自分のココロとカラダに向き合うきっかけをつくっていただき、幸せで楽しい人生を少しでも長く送っていただける一助になれば幸いだと思っています。


そして、そんな女性に寄り添うパートナーにも女性のカラダについて理解していただきたいです。


ぜひ、お互いのことを理解しあい、素敵な人生を送っていただければと願っています。



著者について


女性医療クリニックLUNAグループ

理事長 関口 由紀

医学博士 日本泌尿器科学会専門医・指導医









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